子猫がケージの中で暴れるのは、飼い主にとって悩ましい問題のひとつです。
「なぜこんなに騒ぐの?」
「どうすれば静かにしてくれるの?」
と困ってしまうことも多いでしょう。
しかし、子猫が暴れるのには必ず理由があります。
子猫の行動には、遊びたいという欲求、不安やストレス、体調不良など、さまざまな要因が影響しています。
暴れる理由を理解し適切な対策を講じることで、子猫が落ち着いて過ごせるようになります。
この記事では、子猫がケージで暴れる理由と具体的な対策を詳しく解説し、飼い主さんが実践しやすい方法を紹介していきます。
子猫がケージで暴れる理由と対策
1.構ってほしい:遊び足りなさや寂しさのサイン
子猫はとても社交的で、飼い主とのコミュニケーションを強く求めます。
特に遊びたい気持ちが満たされないと、「遊んで!」「こっちを見て!」とアピールするためにケージ内で暴れることがあります。
子猫のエネルギーは非常に高く、特に生後3〜6ヶ月の時期は活発に動き回ることが大好きです。
この時期に十分に遊ぶ時間が確保されていないと、エネルギーの発散場所がなくなりケージ内で暴れたり鳴き続けたりする原因になります。
我が家の子猫(生後4ヶ月)は、夜になるとケージの中で大暴れしていました。
しかし、寝る前に15分ほど猫じゃらしで遊ばせるようにしたところ、遊び疲れて自然と落ち着くようになりました。
子猫は疲れると眠くなる習性があるため、しっかり遊ばせることが解決策のひとつになります。
【遊び足りない子猫におすすめの対策】
- 1日40分以上の遊び時間を確保し、小分けにして(10〜15分×数回)遊ぶ
- キャットボールやフェザー付きのおもちゃを活用し、狩猟本能を刺激する
- 1人遊びできる知育玩具を用意し、ケージ内でも退屈しないようにする
2.ストレスが溜まっている:環境の変化や自由の制限が原因
ケージの中は限られた空間のため、子猫にとっては「自由が奪われた状態」と感じることがあります。
特に新しい環境に慣れていない子猫は不安やストレスを感じやすく、暴れることでその気持ちを発散しようとします。
また、ケージ内の環境が快適でない場合もストレスの原因になります。
トイレが汚れていたり、周囲が騒がしかったりすると、子猫は落ち着くことができません。
【ストレスが溜まっている子猫のサイン】
- ケージの中をウロウロと落ち着きなく歩き回る
- しきりに毛づくろいをしている(過剰グルーミング)
- トイレの失敗が増える
【ストレスを軽減するための対策】
- ケージに慣れるトレーニングを行う:最初は短時間から始め、徐々に慣れさせる
- ケージの環境を整える:清潔なトイレや寝床を用意し、安心できるスペースを作る
- 飼い主の匂いのついたタオルを入れる:安心感を与え、リラックスしやすくする
3.病気や怪我の可能性
子猫が突然激しく暴れるようになった場合、体調不良や怪我の可能性も考えられます。
特に、以下のような症状が見られる場合は注意が必要です。
【注意すべき症状】
- いつもと違う鳴き声を出す
- 触ると嫌がる、または特定の部位を気にする素振りを見せる
- 食欲が落ちたり、水を飲まなくなったりする
子猫は体調が悪くても本能的にそれを隠そうとする習性があるため、異常に気づいたら早めに動物病院で診てもらうことが重要です。
子猫を落ち着かせるための具体的な対策
子猫がケージで暴れるのを防ぐには、
- ケージ内外の環境を整えること
- 適度に運動させること
- ストレスを減らすこと
が重要です。
ここでは具体的にどのような方法で、子猫を落ち着かせることができるのかを解説します。
1.ケージから出す時間を作る:自由時間を確保してストレス軽減
ケージの中だけで過ごす時間が長すぎると、子猫は退屈し、エネルギーが発散できずにストレスが溜まります。
その結果、暴れる原因になってしまいます。
🔹ケージから出すべき時間の目安
- 1回につき10〜20分、1日3〜4回以上を目安に、ケージの外で自由に過ごす時間を作る
- 特に朝と夕方は活発になりやすい時間帯なので、この時間に遊ばせると効果的
🔹安全な遊び場を確保する
子猫をケージから出す際は、危険なものを片付けた「安全なスペース」を用意することが大切です。
- 誤飲しやすいもの(糸や小さな物)は片付ける
- コード類は隠す、またはカバーをつける
- 倒れやすい家具がないかチェックする
自由に動き回れる時間を確保することで、子猫は安心し、ケージの中に戻ったときも落ち着きやすくなります。
2.ケージに布をかけて目隠しをする:安心できる空間作り
子猫は視覚的な刺激を受けやすく、外の動きや光が気になって落ち着かないことがあります。
特に、新しい環境に慣れていない子猫は、不安を感じやすくなります。
🔹布をかけることで得られる効果
- 外の刺激を遮断し、落ち着ける空間を作る
- 眠る時間と活動する時間のメリハリをつける(昼は少し開けて、夜は完全に覆う)
🔹布をかける際のポイント
- 完全に覆うと逆に不安になる子猫もいるため、最初は半分だけ覆う
- 通気性の良い布を選び、空気がこもらないようにする
3.一緒に遊ぶ時間を増やす:エネルギーを発散させる
子猫は本来、狩りをする動物です。
そのため、遊びによってエネルギーを発散させることが重要になります。
十分に遊べないと、ケージの中で暴れる原因になります。
🔹おすすめの遊び方
- 猫じゃらしを使った「狩猟ごっこ」
猫は動くものを追いかけるのが大好きなので、猫じゃらしを使って「捕まえる遊び」をすると満足感が得られます。 - ボール遊びで運動量を増やす
転がるおもちゃを追いかける遊びは、エネルギーを効率的に発散できます。 - トンネル遊びで好奇心を刺激する
トンネル型のおもちゃを用意すると、探検する楽しさがあり、遊びの幅が広がります。
遊び時間をしっかり確保することで、子猫が「満足した」と感じ、ケージの中でも落ち着きやすくなります。
子猫が夜中に暴れる場合の対策
夜中に子猫がケージの中で暴れたり鳴き続けたりするのは、飼い主にとって大きな悩みです。
特に仕事や家事で疲れているのに眠れないと、ストレスが溜まってしまいますよね。
夜中に暴れる主な原因としては、
- エネルギーが余っている(十分に遊び足りていない)
- 生活リズムが整っていない(昼間に寝すぎている)
- 夜間の環境が落ち着かない(暗さや静けさに慣れていない)
- 空腹やトイレの問題(お腹が空いている・トイレが汚れている)
- 飼い主に甘えたい(分離不安や寂しさからくる行動)
が挙げられます。
これらの原因に対して、効果的な対策を詳しく紹介していきます。
1.夜は寝る時間だと教える
子猫に「夜は遊ぶ時間ではなく、寝る時間なんだ」と学習させることが重要です。
そのためには、毎日の生活リズムを一定にすることが効果的です。
🔹夜のスケジュール例(生後3〜6ヶ月の子猫向け)
- 19:00〜20:00:夕食+軽い遊び(食後すぐは激しい遊びを避ける)
- 21:00〜22:00:しっかり遊ぶ(エネルギーを発散させる時間)
- 22:30〜23:00:寝る準備(ケージに入る前に撫でる・落ち着かせる)
- 23:00〜翌朝:消灯&ケージに布をかける(睡眠環境を整える)
夜の遊び時間をしっかり確保し、その後にリラックスさせることで、子猫は自然と「遊び→休息」の流れを覚えます。
2.寝る前にしっかり遊ばせて疲れさせる
「夜中に暴れる」という悩みの多くは、子猫のエネルギーが余っていることが原因です。
遊び足りないと、夜になっても元気いっぱいで暴れたり、飼い主を起こそうとする行動を取ります。
寝る前の遊び方としておすすめなのは、以下のようなしっかりと動き回る遊びです。
🔹 おすすめの遊び方
- 猫じゃらしでジャンプさせる(高い運動量を確保できる)
- ボール遊び(転がして狩猟本能を刺激する)
- トンネル遊び(走ったり隠れたりできるので楽しい)
- おやつを使った知育遊び(頭を使うことで疲れやすくなる)
ただし激しすぎる遊びをすると、興奮しすぎて逆効果になることもあります。
遊び終わった後は子猫を撫でたり、静かな環境にしてあげることでリラックスモードに切り替えましょう。
3.夜間の環境を整える(ケージの位置・明るさ・音)
子猫が夜に落ち着かない原因のひとつに、「寝る環境が不安定であること」があります。
人間と同じように、猫も安心して眠れる環境が必要です。
🔹 夜のケージ環境を整えるポイント
- ケージの位置を静かな場所にする
→ テレビの近くや騒がしい場所ではなく、落ち着ける空間に置く - 部屋を暗くする(豆電球も避ける)
→ 夜は完全に消灯し、猫が「寝る時間だ」と理解できるようにする - ケージに布をかけて視覚的な刺激を遮る
→ 外の動きが見えないようにして、リラックスできる空間を作る - ホワイトノイズを活用する(静かすぎるのが苦手な子向け)
→ エアコンの音や軽い環境音を流すことで安心感を与える。
夜に物音がすると、それだけで興奮してしまう子猫もいるため、余計な刺激を避ける工夫をしましょう
4.空腹やトイレの問題を解決する
夜中に子猫が暴れる原因のひとつとして、「お腹が空いている」「トイレが汚れている」ことも考えられます。
特に、成長期の子猫は1回の食事量が少なく、消化が早いため、夜中に空腹を感じやすいです。
🔹 対策方法
- 寝る前に少量のフードを与える(消化の良いウェットフードなど)
- 夜間用の自動給餌器を活用する(決まった時間に少しずつ出るように設定)
- トイレを寝る前に掃除する(猫は清潔なトイレでないと使わないことがある)
こうすることで、夜中に「お腹が空いた!」と鳴き続けたり、トイレの不快感で騒ぐのを防ぐことができます。
5.甘えたい気持ちを満たす(分離不安の対策)
夜になると急に寂しくなり、飼い主を求めて鳴いたり暴れたりする子猫もいます。
これは「分離不安」と呼ばれる状態で、「ひとりで寝るのが怖い」「もっと構ってほしい」と感じている可能性があります。
🔹 分離不安を和らげる工夫
- 飼い主の匂いがついたタオルや布をケージに入れる
- ぬいぐるみを置いて、母猫や兄弟猫の感覚を再現する
- 昼間にたくさん遊んで「構ってもらえた」と感じさせる
子猫が安心できるアイテムを用意し、寂しさを軽減してあげることが大切です。
まとめ:夜中に暴れる子猫を落ち着かせるために
夜中に暴れる子猫には、エネルギー発散・生活リズムの調整・快適な環境づくりが重要です。
【今日からできる改善ポイント】
✅ 寝る前にしっかり遊ばせて疲れさせる
✅ 夜は部屋を暗くし、静かな環境を作る
✅ 寝る前に少量のごはんを与え、空腹を防ぐ
✅ ケージに布をかけ、落ち着ける空間を作る
✅ 甘えたい気持ちを満たす工夫をする
すぐに改善しないこともありますが、焦らず、子猫の成長を見守りながら対策を続けることが大切です。
愛猫とより良い夜を過ごすために、できることから試してみてくださいね。
子猫がケージで暴れるのは、成長の過程でもあるので無理にやめさせるのはNGです。
子猫のお気に入りのおもちゃやベッドなどを用意して、落ち着く環境を整えましょう。
大変だなと感じるかもしれませんが、子猫の成長はあっという間です。
怪我などをさせないよう、気を付けてあげてくださいね。
【参考】
⇒子猫がケージを登れない時の対策は?夜にケージに入れるのはいつまで?