犬の涙やけは、アレルギーが原因である場合に限り、ドッグフードを見直すことで改善する可能性があります。
「ドッグフードを変えたら涙やけが治った」といった体験談を目にすることがありますが、それはすべてのケースに当てはまるわけではありません。
涙やけにはさまざまな原因があり、犬の目の構造や体質、外的刺激、アレルギーなどが複雑に関係しています。
特に目立つのは白毛の小型犬で、涙の色素が被毛に残ってしまうため、見た目にも気になりやすくなります。
この記事では、涙やけが起こる仕組みを医学的な視点から整理し、ドッグフードが関係するケースとそうでないケースを明確にしたうえで、アレルギー対策としておすすめできるドッグフードもご紹介します。
涙やけに悩む飼い主が見直すべきドッグフードのポイント
冒頭でもお話ししましたが、涙やけがひどいときにドッグフードで改善するのはアレルギーの場合のみです。
後述しますが、アレルギー以外でドッグフードで涙やけを改善するというのは難しいでしょう。
犬にアレルギーのある場合は、 アレルギー反応によって涙の分泌量が増えて涙やけになることがあります。
原因の物質を除去したドッグフードを選ぶ必要がありますね。
低アレルゲンのドッグフードを与えて、愛犬がアレルギーを起こさないように気をつけてあげることが大切です。
アレルギーを起こしやすい材料は小麦、乳製品、トウモロコシ、大豆、油脂、牛肉などが一般的です。
何のアレルギーかによって、選択するフードも変わってきます。
涙やけ対策におすすめのドッグフード3選
ここではアレルギー対策におすすめのドッグフードをご紹介します。
何のアレルギーかにもよりますが、アレルギー対策でメジャーなドッグフードといえばグレインフリーですね。
グレインフリーは穀物が使われていないものを指します。
ソルビダ ドッグフード グレインフリー チキン 室内飼育 成犬用
【主原料】
【100gあたりのカロリー】
350kcal
【原産国】
アメリカ
メディコートアドバンス グレインフリー チキンテイスト
【主原料】
【100gあたりのカロリー】
380kcal
【原産国】
日本
ナチュラハ グレインフリー ターキー・チキン&野菜入り
【主原料】
【100gあたりのカロリー】
385kcal
【原産国】
アメリカ
この3点のドッグフードは公式サイトやAmazon、楽天などの通販はもちろん、ペットショップではだいたい取り扱われているものです。
穀物のアレルギーが原因で涙やけが起こっている犬では、グレインフリーのフードに変えることで涙やけが改善すると考えられます。
なぜ涙やけは起こるの?ドッグフードとの関係を解説
そもそも犬の涙やけとは、涙が目の下の皮膚へ溢れて色がついたりにおいがしたりすることで、毛色の白い犬は特に目立ちますね。
なぜ涙やけができるのか、ネット記事などでも多く解説されています。
まず涙ですが目の表面の保護の役割もあるので、犬にとっても涙は必要です。
涙がなければドライアイとなり、痛みを伴うこともありこれは治療対象になりますね。
涙は必要なのですが、涙が目から溢れてしまうことが問題です。
涙やけの原因は、大きく分けて2つあります。
涙やけの原因1
1つ目が、目の痛みや目にゴミが入った場合、悲しみなどの感情などで涙が出る場合です。
この場合はたくさんの涙が作られて、結果涙が溢れます。
涙腺で作られた涙は、目の表面を潤したあとに、蒸発する鼻に抜けます。
涙点・涙管を通り鼻に抜けることで、涙はまぶたから溢れないようになっています。
これが溢れる場合は、涙管よりもたくさんのたくさんの涙が作られているということになりますね。
目をしょぼしょぼしたり、前足で目を掻いたり、目を地面にこすりつけるという行動がみられます。
この場合は痛み、アレルギーなどが考えられるので動物病院へ行くことをおすすめします。
涙やけの原因2
2つ目は、涙の量は普通なのに、涙が溢れる場合です。
涙の量はけして多くはないのですが、うまく涙点・涙管に入っていかないことがあります。
涙やけする犬の特徴として、目がぱっちりして大きいことがあげられます。
- 目が大きい=目頭が開いている
→涙を止めている目頭が開くと涙が溢れる
人間が可愛いと思う小型犬やぱっちりした目の犬を交配した結果、こうなってしまったという事実もあります。
獣医さんによれは、涙点が詰まっている犬はたまに事例であるとのこと。
生まれつき涙点が小さい犬は少ないものの、一定数いるのだとか。
涙管が詰まっている犬は、ほぼ見たことがないそうです。
私自身、愛犬を連れて動物病院で獣医さんにお話しを聞いた時、「ドッグフードの中に含まれている成分・添加物で老廃物が出て涙管が詰まるわけない!」と聞きました。
「そんなんで涙管詰まるなら、同じ哺乳類の人間でファストフードばかり食べてる人みんな涙管詰まる?老廃物で涙管詰まるなら、涙管詰まる前に血管詰まるよ」とまで言われました。
涙やけは茶色くなると思うのですが、本来犬の涙も人間と同じで透明です。
これは、涙の中に含まれている成分であるポルフィリンと鉄です。
これが空気に触れることで酸化されて起こる色味です。
わかりやすい例えで言えば、鉄が酸化して錆びる感じですね。
ポルフィリンや鉄は、赤血球を作るのに大切な成分です。
不足すれば、犬は貧血になります。
ドッグフードで涙やけが改善したという情報もありますが、ポルフィリンや鉄を減らすドッグフードというのはありえないのです。
調べた限り存在していません。
ただし、ドッグフードを食べたあとに口周りや目を痒がるなどの行動がある場合は食事のアレルギーなのでこの場合はドッグフードが関係しています。
この場合を除けば、涙やけとドッグフードは関係がないということですね。
ドッグフードを変えても治らないときに考えるべきこと
涙やけの改善方法ですが、究極の治療法として目頭の手術という方法もあります。
ただ、犬は成長するにつれて皮膚もゆとりをもち、たるむので成長とともに涙やけも落ち付く傾向があります。
涙やけは、パピー期や若い年齢の犬のほうがひどいことが多いです。
たまにドッグフードのレビューで「ごはんを変えて涙やけが改善した」というようなことを書いている方がいますが、2~4歳くらいなら年齢的にたまたま落ち付いたという可能性も考えられます。
また、ドッグフードを変えたことでアレルギーの原因の物質が変えたフードに入っていなかったため改善したという可能性もあります。
若い年齢の犬であれば、様子を見るという選択肢でもいいのではないかと思います。
- 目をしょぼしょぼする
- 痛がる
- 前足で掻いたり、目を床などにこすりつけている
これらの行動が見られる場合は、動物病院の受診をおすすめします。
痛みや痒みなどの症状で出る涙と、涙やけを混同せず見極めるというのが飼い主には求められます。
わからない場合は、一度獣医さんに相談してみると良いです。
犬を飼う環境を綺麗にするというのも対策として出来ることです。
自宅内がホコリまみれという家はないと思いますが、こまめに掃除をすることも大切です。
特に春や秋などの窓を開けて過ごす日や、風が強い日、空気の入れ替え時は、花粉や砂埃などが風とともに飛んでくることもあるので、注意が必要ですね。
まとめ:涙やけの原因を知り対策しよう!
涙やけに悩んだとき、すぐにドッグフードを疑う方もいるかもしれませんが、改善できるのは「アレルギーが原因の涙やけ」に限られます。
涙やけの主な原因は、目の構造や涙の通り道の異常、目への刺激や痛み、犬種の特徴などさまざまです。
もちろん、アレルギーがある場合にはフードの見直しが有効な対策となるでしょう。
ですが、闇雲にドッグフードを変えるよりも、まずは「なぜ涙が溢れているのか」を観察することが大切です。
愛犬が目を痒がったり、痛がる様子があれば、すぐに動物病院を受診しましょう。
また、日常の環境を清潔に保つことも、涙やけを悪化させないためのシンプルで効果的な対策です。
飼い主としてできることをひとつずつ見直しながら、愛犬にとって快適な毎日を整えていきたいですね。
【参考】
⇒市販で買える臭くないドッグフードおすすめ12選!うんち&体臭ケアも徹底比較